大動脈瘤／【さいたま人間ドック・健診ナビ】

大動脈瘤について

心臓から拍出された血液は大動脈を通って、脳や体全体の全ての臓器に栄養を運んでいます。その大切な大動脈に「こぶ」状に膨らんでしまう事を大動脈瘤と言います。「こぶ」ができる場所にもよりますが、多くは無症状のまま進行してまいります。恐ろしい結末として、「破裂」があります。大動脈瘤が破裂してしまうと突然に激痛が襲い、ショック状態になったり、突然死したりすることもあります。大動脈瘤破裂後の緊急手術は緊急性、かつ危険性の高い、難しい手術となります。大動脈瘤を発見したら、破裂する前にしっかりと治療する事が大切です。いったん大動脈瘤になってしまうと投薬では元通りになることはありません。大動脈瘤がまだ小さいうちは血圧を下げる降圧剤で重症化を予防しますが、症状が進行した場合は人工血管による大動脈の置換術か、血管内治療のステントクラフト内挿術を行います。

【胸部大動脈瘤】と【腹部大動脈瘤】

大動脈瘤の発生原因として、動脈硬化が強く起因していると言われています。
「こぶ」のできる部位によって【胸部大動脈瘤】と【腹部大動脈瘤】に分類されます。
どちらの大動脈瘤も初期の段階では症状もないですが、進行するとそれぞれの症状に違いが起きてきます。

胸部大動脈瘤の特徴

胸部大動脈瘤が大きくなると、声帯や気管を圧迫して発声しにくくなり、食道までも圧迫すると食べた物を飲込むのが困難になります。

腹部大動脈瘤の特徴

腹部大動脈瘤の特徴的な症状は「無症状」に近いことです。
定期的な健診を受けずに、突然に大動脈瘤が破裂してしまうこともあります。

大動脈瘤のリスク因子

・高血圧
・タバコ喫煙
・加齢
・男性
・遺伝
・アテローム性動脈硬化症の既往歴
などです。

大動脈瘤が破裂する前にできる治療法

大動脈瘤が破裂すると、緊急手術にて人工血管を置換しない限り、患者は死に至ります。
ここでは、破裂する前にできる治療法を説明いたします。
主な治療法としては「人工血管の置換手術」と「ステントクラフト内挿術」を行います。
この治療法のすみ分けは大動脈瘤のできる部位によって違ってきます。
さらには両方の治療を組み合わせる場合もありますが、ステントクラフト内挿術後の置換手術は困難になる場合もあるので、専門医の説明をよく理解したうえで決定するのが望ましい。

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