硬膜下血腫について
硬膜下血腫には急性と慢性とがあり、頭蓋骨内側の硬膜内の出血がゼリー状の血腫になる事をいいます。この血腫が脳を圧迫する事で、片麻痺・失語症・頭痛・嘔吐・認知症などの症状が出ます。50歳以上の高齢者の男性に多くみられ、頭部に打撲や外傷を受けたことが発端となって発症します。外科手術によって血腫を取り除き、穿頭血腫洗浄術を行うことが出来れば早期に症状は改善します。血腫の大きさと症状の程度によって、血腫の厚さが1cm以上であれば緊急に開頭血腫除去術を行います。術後は一般的に、昏睡状態の重症急性硬膜下血腫の死亡率は70%、社会復帰は15%と報告されています。乳幼児のおいては、揺さぶりや虐待などによる発症が多くみられます。眼底から出血している場合は特に虐待の可能性が高いとされています。
急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫
急性硬膜下血腫
急性硬膜下血腫発生の原因として、多くが頭部外傷による脳挫傷です。典型的な発生のしかたとしては、転倒などによる頭部外傷により頭蓋骨内に脳挫傷が起こり、その部位からの出血が急速に硬膜下に溜まるものを急性硬膜下血腫と言います。硬膜は頭蓋骨のすぐ内側にあり、頭蓋内で脳を覆っている結合識性の強い膜です。この硬膜の内側で脳の表面に出血が起こると、出血した血液が硬膜の直下で脳と硬膜の間に溜り、短時間のうちにゼリー状にかたまって脳を圧迫し、様々な重篤な症状を引き起こします。急性硬膜下血腫は強い外傷に起因して起こる事が多いために脳の損傷も大きく、通常は受傷直後から意識障害を呈し、意識が戻らないまま死に至るケースが多いのも特徴です。
慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫発生の原因は、軽微な頭部打撲をきっかけにして、脳の表面に微量の出血または脳脊髄液が慢性期間(1ヵ月~3ヵ月)かけて溜まって血腫に発展していきます。頭部打撃の症状が殆ど軽妙な場合は、きっかけになる頭部外傷がはっきりしないこともあります。打撲以外の発症因子は、①大酒家②脳に萎縮がある③脳梗塞の予防薬(抗凝固剤)を服用している場合④頭部に対する術後⑤透析⑥癌が硬膜に転移している場合などが慢性硬膜下血腫を発生しやすく、注意を要します。重症化した場合の症状や危険度は急性硬膜下血腫と同様ですが、頭部打撲以外が原因で発症した場合は、術後に再発するリスクがあります。
急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫の治療法について
急性・慢性はともに、血栓の厚さが1cm以上あれば緊急手術の必要性があります。血腫が少量の場合には、投薬による薬物療法が選択されます。手術の方法などは、症状と頭部CT画像を参考に解析し、開頭血腫除去術や頭蓋骨に小さな孔をあけて血腫を抜く穿頭血腫ドレナージ術などで、多くは緊急を要しますので緊急手術を行います。転倒事故などで頭部を打撲し、意識朦朧・吐き気・物が二重に見える・手足が痺れる・麻痺が起こるなどの症状が数日続く場合には硬膜下血腫の疑いがありますので、速やかに専門病院で検査が必要です。
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