動悸がする
動悸を伴う病気には、心臓弁膜症・心筋梗塞・心筋炎や不整脈など、心臓が原因で起きる病気と、発熱や貧血・低血糖症・パニック障害などの心臓以外が原因で起きる病気があります。動悸とは、普段は意識しない心臓の拍動を不快なものとして感じる症状です。運動などによる動悸のように理由がしっかりしている場合を除くと、時に重大な病気によって起こる動悸の場合もあります。動悸が起こったら、脈拍に異常や随伴する症状はないかなどに気をつけて、たとえ激しい動悸ではなくても心配する必要があります。特に心臓の病気が原因で動悸が起こっている場合には、急激に症状が悪化してしまう危険性もあります。“動悸がする”は危険な病気のサインと考え、病気の早期発見のためにも検査を受けましょう。
心臓だけではない“動悸がする”病気とは
動悸には、心臓がドキドキとする感じ・一発だけドキンとする感覚・一瞬息がとまる感じなど、いくつかに区別できる症状があります。
走ったり階段を登ったときなど運動した時に異常な動悸を感じる場合、心臓やそれ以外の病気の可能性があります。
リラックスした安静時におこる動悸の場合は、心臓の病気がおもに考えられます。
不整脈も動悸の原因になりやすいですが、逆に動悸があれば不整脈だとは限りません。
他の病気が原因で動悸がおこることもあります。
ここでは、「心臓が原因である動悸」と「心臓以外が原因である動悸」の大きく2つに分けて、動悸が起きる病気についてご説明いたします。
動悸をおこす心臓のおもな病気
心臓弁膜症
心臓にある僧帽弁や大動脈弁などが故障して、その開閉がスムーズにいかなくなり、血液の循環が悪くなって発症する病気です。
初期では無症状ですが、次第に階段を昇るなどすると動悸・息切れが起こり、進行すると少し体を動かすだけでも呼吸困難やチアノーゼが現れます。
心筋炎
心臓の筋肉がウイルスや細菌などに感染して起こる炎症です。
初めは発熱、咳などのかぜ様症状や下痢、腹痛など消化器症状で始まり、引き続いて動悸や胸部不快感、胸痛などが現れます。
悪化すると呼吸困難・意識障害・不整脈などが起こり、重症例では突然死することもあります。
不整脈
心臓の拍動、すなわち脈の数やリズムが乱れた状態です。
不整脈があると多くの場合、動悸が起こってきます。
不整脈は、とくに原因がなくても、また精神的なショックや過労、睡眠不足などでもしばしば現れ、多くは心配することはありません。
しかし、心筋梗塞などの危険な病気によって起こることもあるため、不整脈を感じたら一度受診するようにしてください。
動悸をおこす心臓以外のおもな病気
低血糖症
おもにインスリン注射をしている糖尿病の人が注意しなければならない病態です。
インスリンを過剰投与すると、冷や汗や動悸・顔のほてり・意識障害・昏睡状態になることもあります。
貧血
貧血すなわち赤血球数が減少すると、動悸・息切れ・疲れ・全身倦怠感・顔面蒼白・めまいなど、さまざまな症状が現れます。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンの増加によるもので、動悸・頻脈・体重が減る・発汗過多・手のふるえ・集中力低下など、さまざまな症状が現れます。
バセドウ病も甲状腺機能亢進症のひとつで、5人に1人くらいに眼球の突出が現れます。
パニック障害
パニック発作といわれる、急性の強い不安の発作を繰り返す症状を特徴とする病気です。
パニック障害は特別な原因やきっかけなしに急性に発症します。
発作は繰り返しおこり、不安のため一人で外出したり、乗り物に乗ることが困難になること、などが特徴です。
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